観智国師肖像

近代教育発祥の碑

近代教育発祥の碑

天光院には、浄土宗の宗宝であり戦前は国宝にも指定されていた江戸初期の浄土宗の名僧にして、徳川家康公の宗教ブレーンとして活躍した『観智国師源譽存応上人(かんちこくしげんよぞんのうしょうにん)』の肖像画があり、存応上人(ぞんのうしょうにん)が亡くなる二年前、天光院二世住職の春貞上人(しゅんていしょうにん)に授けられたものであります。これは江戸時代の初めから天光院に代々伝えられ、第二次大戦中の戦火を恐れて、鎌倉高徳院の大仏胎内に保護されたため難を逃れ、今日まで無事に伝来しております。

この肖像画が、これほどまで大切に守られてきた理由は、「観智国師肖像(かんちこくししょうぞう)」は、大本山増上寺御法主(住職)晋山(しんざん)の儀式に先立って行われる【伝衣式(でんねしき)】の主役となるためです。伝衣式というのは、先代住職から衣鉢(いはつ)を伝える儀式で、これによって後継者として信任されることを意味し、この肖像画への礼拝があって、晴れて増上寺晋山が成立するという儀式次第として永く伝来しております。